英文契約書を読み解こう♪【基礎編①】
英文契約書って文語体で書かれていて、字だけみて内容が頭に入ってこないと思ってませんか。実は一つ一つ読み解いていくと、とても論理的かつシステマティックに書かれており、とっても読みやすいのです。
今日は英文契約書の基本的な文書体系を見ていきましょう♪
英文契約書にはいろいろな条項が含まれていますが、その構成する各条項を下記の通り文書体系別に区分けすることができます:
① 誓約 (Covenants and Undertakings)
② 事実表明と保証 (Representations and Warranties)
③ 条件 (Conditions)
④ 補償 (Indemnities)
⑤ そのほかの規定 (Other Prescriptive Statements)
文章体系別に区分けすることにより、各条項の持つ意味とそれがもたらす効果、つまりその条文により発生する権利と義務がより鮮明になり、本来の意味をより的確に理解できるようになります。
① 誓約 (Covenants and Undertakings)
契約当事者に対し何らかの行動(厳密には作為(act)または不作為(omission))を要求する文書のことを言います。
契約の対象となる基本的な合意事項を記述し、主要な権利と義務を規定するのが誓約文。
要求される行為をしてする動詞(shall, undertake, covenantなど) がよく使用されます:
Rachel Corporation shall pay the royalty to the licensor in advance on the 1st of each month.
(レイチェルコーポレーションは毎月一日にライセンサーに対しロイヤリティを支払うものとする。)
Rachel Corporation undertakes to inspect all Products prior to shipment.
(レイチェルコーポレーションはすべての製品を出荷前に点検することを確約する。)
② 事実表明と保証 (Representations and Warranties)
一方の契約当事者が相手に対し特定の事実を表明する文章のこと。
つまり、あるものがある性質を有することを事実として表明するという意味を持つ。
表明内容と事実とが異なるリスクを表明者が負うという意味であり、そのような際が生じた場合は契約違反となる。
事実表明する表現としてはrepresentまたはwarrantが用いられるのが特徴である。
Rachel Corporation represents and warrants that it is a kabushiki kaisha
incorporated in Japan.
(レイチェルコーポレーションが日本で設立された株式会社であるということを表明し保証する。)
Seller warrants that the Technology does not infringe the rights of any third party.
(本技術はいかなる第三者の権利をも侵害しないことを売り主は保証する。)
③ 条件 (Conditions)
特定の契約義務や権利が発生したり消滅する前提を示す契約文書のこと。
例えば、「AAがおきたら、BBをする義務が発生する」や「CCが起きたら、DDを要求する契約上の権利が消滅する」などという条件である。
契約義務や権利の発生(発効)の条件となるものはCondition Precedentと呼ぶ。
The Seller's obligation to deliver the Products shall be subject to the condition that the Buyer first make payment of the down payment.
(売主の製品引き渡し義務は買主による頭金の支払いを条件とする。)
The Seller need not deliver the Product unless the Buyer shall have first made the down payment.
(買主が頭金を支払うまで、売主は製品を引き渡さなくてよい。)
Rachel Corporation shall not be obligated to commence development of the prototype until the Product Designer shall have delivered the detailed product drawings to Rachel Corporation.
(製品デザイナーがレイチェルコーポレーションに製品仕様を提供するまで、レイチェルコーポレーションが製品開発を開始する義務は発生しない。)
また、義務や権利の消滅を条件付けるものはCondition Subsequentという。
Upon fulfillment of all of the following conditions, Rachel Corporation shall no longer be obligated to maintain the Software of the Equipment.
(a) completion of the Australian Plant Facilities
(b) delivery by Rachel Corporation of the source code for the Software
(下記条件すべてを満たした際には、レイチェルコーポレーションは当該機器のソフトウェアを維持する義務は一切なくなる)
After May 31, 2017, Rachel Corporation's right to use the Technology for consumer products shall terminate.
(2017年5月31日をもって、レイチェルコーポレーションの消費者向け製品の当該技術使用権は終了する。)
④ 補償 (Indemnities)
ある事態に起因した損害を補う義務を契約当事者に課す契約文言のこと。
補償するという意味のindemnifyという動詞が使われる。
Each party shall indemnify the other party for any and all losses, expenses, and damages incurred as a result of any breach by such party of any provision of this agreement.
(本契約書における契約当事者による契約違反に起因するいかなる損害、損失、費用は契約違反をした契約者が補償するものとする)
⑤ そのほかの規定 (Other Prescriptive Statements)
上記①~④に該当しない文章が契約書には多くある。
契約当事者に義務を課すこともなければ、義務や権利の発効や消滅を制御することもない文章Prescriptive Statementという。つまり、Prescriptiveには規定する、指定するという意味があり、「この契約関係ではこのようなルールの下で交しましょう」といった環境作りをする為の規定である。
のちに説明するが準拠法の規定もここに当てはまる。
This agreement shall be governed by and construed in accordance with the laws of Japan, without regard to its conflicts of law doctrine.
( 本契約は、日本法に準拠し、解釈されるものとする。ただし法の抵触のルールは適用しない。)
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